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- お知らせ -

2025/11/15

第54回SPレコードコンサートは終了しました

ご来場いただきました皆様には感謝申し上げます

ヴァイオリン好きならSPを聴こう

~「必聴!ヴァイオリニスト30」出版記念~

と き:令和7年12月13日(土)午後2時開演            1時半開場・5時頃終演
ところ:神保町北澤ビル2階ブックハウスギャラリー
【古書センターから靖国通りを九段方向へ左側徒歩3分・北澤ビル正面左階段上】
先着40名様 入場無料(要・ご予約) 
【電話でもメールでもOK。お申込みください】 

使用機器:米国ヴィクター1926年製手巻蓄音機 8-30 「クレデンザ」
     CHUDEN製 SP用カートリッジを使った電気再生 

 案内人:平林直哉(ひらばやしなおや)
    (音楽評論家・CD製作者)
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「クラシックの深淵」(青弓社 2021年刊 )以来書きたかったという平林直哉氏の新著「必聴!ヴァイオリニスト30」(青弓社刊)がとうとう発売されました。この発売を記念してSPレコードコンサートを開催します。
「ヴァイオリン好きならSPを聴こう」とおっしゃる氏の選んだ奏者は一体誰?・・・SP時代からLP時代までのヴァイオリニストたちの普段あまり聴くチャンスの無い、有名どころではない音源を解説とともに聴いていきます。興味津々の会です。お楽しみに
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主催:富士レコード社 神田神保町古書センター9階

お問い合わせ電話:03-3264-8546 

e-mail:info@fuji-recordsha.co.jp

・・・・・・・・・・プログラム第1部・・・・・・・・

①バッジーニ:妖精の踊り
 アルド・フェラレージ(ヴァイオリン)、プロスペロ・フェラレージ(ピアノ)
 オデオン O-26264(録音:1929年、ミラノ)
  Aldo Ferraresi (1902-78、イタリア)。Rhine Classicsより18CD(RH-001)あり。 

②バッジーニ:妖精の踊り
 ジョン・ダン(ヴァイオリン)、ピアニスト不詳 
 エジソン・ベル 536(録音:1910年頃、ロンドン)
 John Dunn(1866-1940、イギリス)。教則本も出版。 

③シューマン(マントヴァーニ編):トロイメライ
 マントヴァーニ(ヴァイオリン)ピアニスト不詳
 日本コロムビア J866(録音:1931年頃)
 Mantovani(1905-80、イギリス)。ムード音楽の大家。クラシックの小品も録音。 

④マスカーニ:「カヴァレリア・ルスティカーナ」間奏曲
 ジャンヌ・ゴーティエ(ヴァイオリン)、ピアニスト不詳
 オデオン 166.018(録音:1927年1月/2月)
 Jeanne Gautier(1898-1974、フランス)。ブーシュリの弟子。SP時代に小品を多数収録。 

⑤モーツァルト:メヌエット(ディヴェルティメントK.334より)
 イェリ・ダラニ(ヴァイオリン)、エーテル・ホブデイ(ピアノ)
 ヴォカリオン D-02103(録音:1924年頃)
 Jelly(Yelly) d'Aranyi(1893-1966、ハンガリー→イギリス→イタリア)。バルトークやラヴェルの作品を初演。シューマンのヴァイオリン協奏曲の発見に貢献。 

⑥バッハ:2つのヴァイオリンのための協奏曲より第2楽章
 アディラ・ファチリ、イェリ・ダラニ(ヴァイオリン)、スタンリー・チャプル指揮管弦楽団
 ヴォカリオン A-025383(録音:1925年頃/初発売:1926年2月)
 Adila Fachiri(1886-1962)はイェリの姉。姉妹の共演は舞台、録音とも多数。 

⑦ドヴォルザーク:ユモレスク
 キャスリーン・パーロウ(ヴァイオリン)、セオドア・フリント(ピアノ)
 ニッポノホン 15068(録音:1922年11月頃、日本)
 Kathleen Parlow(1890-1963、カナダ)。1922年に来日し、SP盤14面分の録音を行う。 

⑧ラロ:スペイン交響曲より第1楽章
 ルネ・シュメー(ヴァイオリン)、ハロルド・クラクストン(3-07937に表記なし)
 HMV 3-07937(録音:1921年1月14日)
 Renee Chemet(1887または1888-?、フランス)。1932年、来日中に宮城道雄作曲の「春の海」を録音。 

⑨クライスラー:美しきロスマリン
 シュテフィ・ゲイエル(ヴァイオリン)、ワルタ-・シュルテス(LZ1には表記なし)
 コロンビア LZ1(録音:1930年)
 Stefi Geyer(1888-1956、ハンガリー→スイス)。バルトークはゲイエルのためにヴァイオリン協奏曲を書き上げた。 

⑩ブラームス:ハンガリー舞曲第5番
 アドルフ・ブッシュ(ヴァイオリン)、ピアニスト不詳
 ポリドール B27547(録音:1922年)
 Adolf Busch(1891-1952、ドイツ→アメリカ)。ドイツの巨匠ヴァイオリニスト。弦楽四重奏で有名。 

・・・・・・・・・・プログラム第2部・・・・・・・・・・ 

⑪バッハ:G線上のアリア
 フアン・マネン(ヴァイオリン)
 フリードリヒ・カーク指揮、管弦楽団
 パーロフォン 2-2050(録音:1919年頃、ベルリン)
 Joan(Juan) Manen(1883-1971、スペイン)。SP盤が稀少、高額で知られるヴァイオリニスト。
  JOAN MANEN HISTORICAL RECORDINGS(1914-1954)(la ma de guido)
 (https://discmedi.com/en/disco_new/12633/joan_manen/historical_recordings_1914-1954)
  検索で「discmedi manen」で出て来るはずです。 

⑫プニャーニ(クライスラー編):テンポ・ディ・メヌエット
 アーサー・カテラル(ヴァイオリン)、ピアニスト不詳
 コロンビア D1579(録音:1927年頃/初発売:1927年11月)
 Arthur Catterall(1833-1943、イギリス)。独奏、コンサートマスター、室内楽で活躍。 

⑬ドビュッシー:レントより遅く
 アルフレッド・デュボワ(ヴァイオリン)、フェルナン・フーエンス(ピアノ)
 コロンビア 1865-D(録音:1927年1月1日)
 Alfred Dubois(1898-1949、ベルギー)。イザイとの交遊、グリュミオーの先生。 

⑭サン=サーンス:ヴァイオリン協奏曲第3番より第3楽章
 ミケル・カンデラ(ヴァイオリン)、フィリップ・ゴーベール指揮パリ音楽院管弦楽団
 日本コロムビア J-7742(録音:1928年2月)
 Miqeul(Miguel) Candela(1914-?、1877-1957?、フランス)。同姓同名の親子ヴァイオリニスト? 

⑮エルガー:愛のあいさつ
 イゾルデ・メンゲス(ヴァイオリン)、アイリーン・ビーティー(ピアノ)
 HMV D.1313(録音:1927年6月27日)
 Isolde Menges(1893-1976、イギリス)。ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲、ヴォーン=ウィリアムスの「揚げひばり」をそれぞれ最初に録音した。 

⑯チャイコフスキー:カンツォネッタ(ヴァイオリン協奏曲より)
 巖本真理(ヴァイオリン)、谷康子(ピアノ)
 日本コロムビア 100651(録音:1942年頃)
 Mari Iwamoto(1926-1979、日本)。弦楽四重奏で有名だが、ソロも秀逸。 

⑰ドホナーニ:ハンガリー牧歌
 ヨハンナ・マルツィ(ヴァイオリン)、ピアニスト不詳
 ポリドール 57230(録音:1943年3月25日、ブダペスト)
 Johanna Martzy(1924-1979、ルーマニア→ハンガリー)。今やカリスマと化す。 

⑱シューベルト:アヴェ・マリア
 ブリジット・ユーグ・ド・ボーフォン(ヴァイオリン)、和田則彦(ピアノ)
 ソノシート D-1(月刊『ディスク』、1960年6月号付録(録音:1960年3月15日、日本)
 Brigitte Huyghues de Beaufond(1922-2008、フランス)。複数回来日し、録音も行う。 

⑲クライスラー:ウィーン奇想曲
  ジャン・フルニエ(ヴァイオリン)、アンドレ・コラール(ピアノ)
  ヴェガ C30A38(録音:1956年頃)。
  Jean Fournier(1911-2003、フランス)。兄ピエールはチェリスト。



 

会の冒頭、今回出版されたご自身の本の内容についてお話しされる平林氏。
コンサートはこの本に登場するヴァイオリニストの演奏を中心に聴きました。普段あまり聴いたことのない奏者も多くマニアックな会でしたが、皆さん熱心に聴き入っていらっしゃいました。
プログラム前半からはフェラレージとダンの聴き比べ、20年ぐらいの差のある録音でしたが、その解釈の違い、個性の違いにはびっくり。またダラニ姉妹のバッハのドッペルコンチェルト、1stヴァイオリンはどっち?という聴き比べも面白かった。わたしは2ndヴァイオリンが三女のイェリだと思いましたが・・・ルネ・シュメーの力強い豪快なラロの協奏曲も凄かったです・・・さてプログラム後半からはまずマネンの希少盤のバッハのアリアに感動しました。さらにカテラルの音色の素晴らしさ。もっと録音が聴きたいと思ったら最近ビダルフからCDが出たそうです。そんな情報も盛り込みながら次はカンデラ父子のどっちか問題。サン=サーンスの3番の協奏曲の初録音を託されたのが14歳の子の演奏とは信じられないとの平林さんの疑問に・・・会場からも意見が出て、父親の指導があったのでは?、ホントは父親の演奏をレコードを売らんがために子供の演奏としたのか・・・謎は残ったまま。さらに16~7歳頃の巌本マリーエステルのチャイコフスキーの歌いまわしにも才能を感じました。そしてご自身の本には載っていない今回唯一のヴァイオリニストはマルツィです。何といままで一切復刻が無いハンガリー録音のポリドール盤、既発売の全録音CDにも漏れているという貴重音源を聴かせていただきました。凄い演奏です。マルツィ特有のあの存在感のある音色で堂々とした時間が流れます。録音もいいし。さてここまではSP。最後の2曲はシート盤とLPでした。「ディスク」誌の付録だったボーフォン。ティボーの弟子。そして最後はジャン・フルニエ。平林さん推しの奏者でした。
アンコールはご本の中で「神々しいばかりの雰囲気、黄金のような輝きは圧巻」と書かれていたハイフェッツの「エストレリータ」で〆ました。
駆け足でのご紹介になってしまいましたが、今回のコンサートもなかなか貴重な楽しい充実の時間でした。平林さんどうもありがとうございました(YS)

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