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2023/09/12

第43回SPレコードコンサートは終了しました

第43回SPレコードコンサート
夜空に消えた大ヴァイオリニスト
ジャック・ティボー
~没後70年、鮮やかに蘇る珠玉の名演~

とき:令和5年10月28日(土)午後2時開演(1時半開場・5時頃終演)
ところ:神保町北澤ビル2階ブックハウスギャラリー
【古書センターから靖国通りを九段方向へ左側徒歩3分・北澤ビル正面左階段上】
先着35名様 入場無料(要・ご予約) 
【電話でもメールでもOK。お申込みください】 

案内人:桑原 威夫氏(くわばらたけお)
在日フランス大使館広報部勤務。訳書にマルク・ソリアノ編著「ヴァイオリンの奥義 ジュール・ブーシュリ回想録(1877-1962)」(音楽之友社、2010年)、フランソワ・アンセルミ、レミ・ジャコブ共著「コルトー=ティボー=カザルス・トリオ 二十世紀の音楽遺産」(春秋社、2022年)がある。
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主催:富士レコード社 神田神保町古書センター9階

お問い合わせ電話:03-3264-8546
e-mail:info@fuji-recordsha.co.jp
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3度目の日本公演に向かうジャック・ティボーほか乗員乗客42人を乗せたエールフランスのサイゴン行き大型プロペラ旅客機「コンステレーション」が1953年9月1日21時50分、パリ・オルリー空港を飛び立った。
 最初の経由地ニースに向けて飛行中の同機から23時25分、エクサンプロヴァンスの地方管制塔に「すべて順調、バルスロネットが見えてきた」と無線が入り、降下開始が告げられた。
 だが、それは通常の飛行ルートではなかった……。

 9月4日、山間の村フール=サン=ローランで行われた墜落事故犠牲者の追悼式に出席した指揮者シャルル・ミュンシュは、「ジネット・ヌヴーが航空機事故で落命したとき、ジャック・ティボーはあのように死にたいものだと言っていた。彼は73歳で望み通りの最期を遂げた」と語った。

今回は、生涯現役で衰え知らずだった偉大なヴァイオリニスト、ジャック・ティボーが遺した名演の数々を、桑原氏お手製の機器による電気再生で皆様とご一緒にじっくりと聴いていきたいと思います。お楽しみに。

プログラムです。幻となった1953年、3回目の来日の際のプログラムに入っていた、フランクのヴァイオリンソナタのラッパ吹込み盤で幕を開けました。
・・・ティボーが世に出ていくきっかけとなった初期録音のフォノティピア盤や20代の若々しい演奏のパテ縦振動盤、そして30代からのグラモフォン盤の録音へと、時代時代のエピソードを辿りながら、桑原氏の解説は、いつになく熱のこもったものになりました。さらに休憩をはさんでも熱気冷めやらず、戦時中のティボーへの深い共感や、その後の演奏活動の様子、そして突然の墜落事故のあらまし・・・直後に掛かったヴィターリのシャコンヌの演奏が終わったときには、皆さん沈黙、言葉はありませんでした。
・・・100年前の録音から、あのような音を引き出した桑原さんに感謝します。良かった。ありがとうございました。(S)
若い方から年配者まで、熱心に耳を傾けられていました。一人の演奏家だけのコンサートは、その解説と相まってなんだか良質のドキュメンタリーを観て聴いた思いでした。

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