帝政ロシア チャイコフスキーやリムスキー=コルサコフを生んだロシア・クラシック音楽の黄金時代。偉大なヴァイオリニストが語る、もうひとつの西洋音楽史。
音楽修行時代から、ロシアだけにとどまらず、往時のパリやドイツのハノーファー、デュッセルドルフ、さらにはロンドン、アメリカへと、アウアーの活動はとどまらない。その折々の思い出話が実に生き生きと語られ読む者を引きつける。ヴィエニアフスキとの食事、ロッシーニに聞いたヴァーグナーの感想、ベルリオーズに逢った話、ブラームスとの「クロイツェルソナタ」の演奏、若きサン=サーンスやパデレフスキーと共演した演奏会、ジェニー・リンドの歌声を聴いた話。まだまだ。そのどれもが楽しい、音楽好きには堪らないエピソード満載のおすすめ本です。読みやすい訳もうれしい。是非ご一読を。